楽しそうな人だな、と思って、何をされてるのか気になったのが最初です。ホリキリさんに、映像のこと、人生のこと、を聞いてみたくなりました。
目次
- 序盤
- PVを撮りたいわけ
- 硬かった
- 大阪から東京へ
- レンタル
- PVの話
- 常に
- 配分
- PVの話その2
- 終わりに
※9月9日(水)、品川某所にてお話を伺いまいした。
※ホリキリ監督最新作。後輩の男の子を好きになったことをラップしたガクヅケ木田のPV
※福岡の友人宅にて合宿撮影中の一コマ
1. 序盤
カマクラ:公開されている映像を見て感じるのはスピードなんです。たくさん作っていらっしゃるので、慣れているのかなと思ったり。
ホリキリ:いやいや、全然そんなことないと思いますけど。去年の12月だかにPOWER(10代後半から30代までの45人程のクルー。東京各所で活動中)のPVを撮って。それが楽しかったんで、その時一瞬だけどPVを100本撮ろうって思ったんですよ。
カマクラ:PVを100本。
ホリキリ:それはもう一瞬で無理ってなりました。ただ、量をこなしたいっていうのはあったんですよね。こなすっていう言い方はちょっと良くないかもしれないけど。もっとハイペースで撮りたかったっていうのはあります。
カマクラ:映像を撮るっていうのはずっと、やってらっしゃるんですか?
ホリキリ:映像は、2008年に専門学校に入って。ENBUゼミナールって所なんですけど、それは一年だけで卒業しました。その時に短編の映画とかも撮ってましたね。その後もちょこちょこ撮ったりしながら、助監督とか、周りのスタッフ的なこともしながら、っていう感じですね。
カマクラ:ふ〜ん・・・。
ホリキリ:PVはさっき言ったPOWERのが初めてというか。まあ、似たようなことはやっていたと思うんですけど。
カマクラ:専門学校に入ろうと思ったのは、もともと映像に興味があったんですね?
ホリキリ:そうですね・・・。2005年か2006年に東京来たんですけど。出身は大分で・・・。
カマクラ:え、そうなんですか?
ホリキリ:大学は大阪で。全然映像とか関係なくて、理系の普通の学科でした。中退しましたけどね。
カマクラ:それは、つまんなかったんですか?
ホリキリ:う〜ん、やる気がなかったですね。
カマクラ:ははは・・・。
ホリキリ:すごく簡単に言うとやる気がなかった。辞めたんですよ・・・。
カマクラ:そうなんですね。
ホリキリ:そういえば、このインタビュー、4割くらい嘘ついてもいいですか。
カマクラ:4割・・・はっはっは・・・。嘘、いいっすね(笑)。
ホリキリ:インタビューの黄金比率なんじゃないかと。ははは・・・。真実と嘘の比率が6:4くらいが、一番面白いインタビューになるんじゃないかと。
カマクラ:え、それどういうことですかね?
ホリキリ:っていうのをネットで見つけたんですよ。
カマクラ:?
ホリキリ:っていう嘘もついていこうかなと、ははは。
カマクラ:はっはっは・・・。
2. PVを撮りたいわけ
カマクラ:大学で何してらっしゃったんですか?
ホリキリ:映画はほとんど見てなくて、軽音サークルには入っていました。パートはベースで。
カマクラ:ベースな感じします。まあ、嘘かもしんないけど。
ホリキリ:嘘ですか!ははは・・・。まあコピーばっかだったんですけどね、サークル自体は。でも一応オリジナルのバンドもやったりしながら。
カマクラ:それはベースで参加してた感じで、ホリキリさんが曲を作ったりはしてなかったんですか?
ホリキリ:そうですね、自分でも作ろうとはしてみたんですけど、全然できないですよね。まあ、でもわからないです。今みたいにサウンドクラウドとかあれば、上げるくらいのことはしてただろうなと思いますけどね。
カマクラ:大学入学は・・・。
ホリキリ:2001年です。で、留年とかもしたりしながら、ダラダラと2005年くらいまで。mixi全盛期ですね。YouTubeが出るちょっと前くらいで、だから動画とかは・・・まあ、これは嘘ですけど、共有サイトですね。当時はPVって見れないじゃないですか、ケーブルテレビ以外だと。だからそういうところで交換とかしてましたね。交渉とかしたりするんですよ、やったことないですか?
カマクラ:ないです。どんな感じでしょう?
ホリキリ:お互いの手持ちファイルが見れるようになっていて、要は、それを申請しても向こうが許可をしないと受け取れないシステムになってるんです。だから、これをくれるんだったらこっちもあげてもいいよ、って感じで・・・。あ、ここの部分、全部嘘ですよ。
カマクラ:ふんふん・・・。
ホリキリ:だから、今みたいに簡単に見れるわけではないので、そうやって苦労して見たものが3、4年後に普通にYouTubeで見れるっていう。あれは何だったんだって感じはあります。
カマクラ:たしかに今となっては、もっと楽に、質の高いものが自由に見れる状態になった。
ホリキリ:今は誰もが見ようと思えば見れる状態にあって、じゃあどうしたら多くの人に見てもらえるか、みたいのを作り手が考えていかなきゃいけない感じになってますよね。それが、変にうまい人が人気出ちゃってる感じはあるかも。それが何とも言えない。
カマクラ:両立する人がうまく世の中に出て行く。
ホリキリ:どうなんですかね。全然話がそれていっちゃうけど、今時のレコード会社の人っていうのは、逆に発掘欲そそるんじゃないかな、とかも思ったりします。
カマクラ:それって、どういうことですか?
ホリキリ:あんまり、面倒見ようみたいな人が少なそうじゃないですか。採算取れないとか、すぐ考えたりしそう。そうなると手をつけていないバンドとかミュージシャンって前以上にいろいろいるんじゃないかなと思ったりしますけどね。単純に知り合いっていうか、もっと売れてもいいんじゃないかなっていう所から、そういう発想になっていくのかも。中々見つからないもんなんだなって思います。
カマクラ:そうなんですね。
ホリキリ:そういう歯がゆい思いからPV作ったりしてるとこはあると思います。映像つくだけでより多くの人が聴いてくれるのなら、って感じで。
カマクラ:それはそうですよね。全然違います。
※先述のPOWERの中心人物、10,10,10のPV。ホリキリさん監督。
3. 硬かった
ホリキリ:まあ、ろくでもない大学生活でしたね。
カマクラ:大学時代に特に印象に残っていることはありますか?
ホリキリ:う〜ん、それが、突出したヤバいエピソードが無いっていうのがヤバい。
カマクラ:はっはっは・・・。
ホリキリ:本当に毎日、授業に行かずに、インターネットとかして。サークルに行き・・・本当にね。そう考えると今の知り合いの大学生は偉いですよ。ちゃんと真面目に、なんか音楽もかっこいいし。すげえなってホントに、思ったりするけど。僕は就活も全くしなかったですね。
カマクラ:ちょっと意外です。してそう。
ホリキリ:今大学生だったらしたい気持ちありますけど。ホントにフニャけてましたね。
カマクラ:ホリキリさんは大学時代にいろんなことが形成されたんじゃないでしょうか。
ホリキリ:それはそうかも。大学というか、大阪に行ってよかったなと思いますね。その時にいわゆる関西ゼロ世代っていう人たちが・・・まあオシリペンペンズとか、あふりらんぽとか。あと情報としてボアダムスとかも入ってくるんですよ。
カマクラ:そうか、ボアダムスも関西なんですよね。
ホリキリ:それを聞いたりしながら、ライブに行ったりして。今はもうないんですけど新世界ブリッジっていう、その時キーになった場所があって、よく行きました。ホントに面白かったです。そこはかなり、影響をうけたんじゃないかな。
カマクラ:へ〜・・・。
ホリキリ:そういうとこに行くようになったのは、サークルの先輩で千住宗臣さんとバンドやってた人がいて。当時千住さんは全国的にはまだそこまで有名ではなかったけど、たしか9とか10とかバンドを掛け持ちしてたような・・・。知ってる人には超ヤバい人として認知されてて。そういうところで得た影響はあると思います。
カマクラ:どういう影響を受けたんですか?
ホリキリ:何ですかね・・・いい質問ですね(笑)。
カマクラ:ははは、ありがとうございます。
ホリキリ:“◯◯に影響を受けた”って、インタビューでよくあるじゃないですか。でも、“どういう影響を受けたんですか”っていうのは結構、斬新な気がします・・・。まあ、これも嘘かもですけど(笑)。
カマクラ:はっはっは・・・。
ホリキリ:そうですね、一番はMASONNA(マゾンナ)さんのライブ見に行って・・・。
カマクラ:マゾンナさん?
ホリキリ:マゾンナさん。ノイズミュージシャンです。ワンマンライブを、1、2分とかで終わらす人なんですよ。
カマクラ:え〜・・・。ははは。
ホリキリ:まあノイズの重鎮というか、非常階段のJOJO広重さんがやってるレコード店で働いたりとかもされていたんですけど。その人のライブ見に行った時に・・・。結構やばいバンド見に行ったら身の危険感じる時あるじゃないですか。
カマクラ:そうですね、やばい感じの人。
ホリキリ:それを、他の人と違うレベルに感じた人というか。その前にペンペンズとか見てるんですけど、フロアとステージと関係なく絡んでくるみたいなのがあって。でも何回かそういうライブを体験して、俺ももう鈍感になってきてるのかなと思っていたんですけど、慣れたかなと。
カマクラ:はい。
ホリキリ:それで、マゾンナさんのライブ見てたら、すごく唐突にダイブっていうか、タックルみたいなのが飛んできて。はっはっは・・・。
カマクラ:はっはっは・・・。
ホリキリ:全く反応できずに・・・。あと、マゾンナさんめちゃくちゃ硬いんですよ。
カマクラ:硬い、何が硬いんですか?
ホリキリ:体が硬いんです。
カマクラ:ははははは・・・!
ホリキリ:すごく痛くて。向こうとしてはタックルしてきたつもりじゃないと思うんですけど。そういう隔たりみたいなもの無意識にまだ持っていたんだ、とか思って。そういうものを教えられたような気がしました。でも、本当に危険なことはないですよ。ただ、ノイズがひたすらカッコイイんです。印象強いですね。
カマクラ:それは思い出深そうですね。体が硬いっていうのは筋肉でしょうか。
ホリキリ:なんかね・・・硬かったんですよ。とにかく硬かったんです。
カマクラ:ははは・・・。
※大学時代に愛用していた冷蔵庫。引越しを機に、今年の夏に廃棄した。
4.大阪から東京へ
ホリキリ:まあ全体的に、関西の・・・、ステージあるのにわざわざフロアで演奏するバンドが多かったし、そういう良さはありました。
カマクラ:今まで思ってたことがぶっ壊される感じ・・・?
ホリキリ:価値観がぶっ壊れてしまったなっていう感じでもないんです。なんですかね・・・いや、やっぱりそれかもしれないです。
カマクラ:えっ?ははは・・・。
ホリキリ:そう言ってしまうと、恥ずかしいから違うことを言おうとしてるだけなのかもしれないです。
カマクラ:ははは・・・。
ホリキリ:自分の価値観が…ぶっ壊れたかも…しれないです。ていうかこれ自分の口からは言えないですよね。
カマクラ:たしかにそうですよね。
ホリキリ:東京きてからも、何かしら影響は受けているんです。大学時代に悔やまれるのは、映画を全然見に行かなかったことですね。
カマクラ:そうなんですか。
ホリキリ:あんだけ暇を・・・いや暇ではなく、時間を無駄にしていた時に、近くに名画座でもあれば、また変わってきていたかもしれないです。
カマクラ:無駄ではないと思うんですけど。全然無駄とかではなく、ただ映画館も行けばよかったなっていう。
ホリキリ:そうですね。
カマクラ:東京には出てこようと思って、出てきた感じなのですか?
ホリキリ:みんな周りが卒業して、けっこう大阪に勤務するわけではなく東京に働きにでる人もいたし、けっこうバラバラだったんですよ。そもそも俺は大阪にずっと住んでいたわけでもなかったし。その時の気持ちとしてはホント逃げるみたいな感じですよ。かなり4年、5 年、大阪でモヤモヤしてた感じがあったんで。換気してない部屋みたいな。
カマクラ:はい。
ホリキリ:ポジティブな状況とは全く真逆にあるような、ちょっとここは居てもアレだから、みたいな感じですね。
カマクラ:そんな感じだったんですね。
ホリキリ:一応建前としては、その時、また唐突なんですけどお笑いが好きで、最初放送作家になろうと思っていたんですよ。
カマクラ:なんか合いそうです・・・。
ホリキリ:その時、NSC(吉本総合芸能学院。吉本興業が主に新人タレントを育成するために創った養成所)って東京と大阪にあるんですけど、大阪は芸人だけで、東京には作家コースもあるんですよ。
カマクラ:それにも興味があり東京へ。
ホリキリ:大阪で受けた影響っていうことではお笑いもかなりありますね。今思うと。当時大阪でバッファロー吾郎とケンドーコバヤシが、関西ではけっこう人気あったんですけど、全国的にはブレイク前みたいな感じで、その時が・・・あんまり言い方よくないかもですけど、一番面白かった時期というか。
カマクラ:なるほど、いいですね。
ホリキリ:今知ってるの俺らだけだよ、って時の。バッファローは自分でイベント打ったりとかよくやってたんです。そういうのによく行ってたわけではないんですけど、影響をうけました。関西のテレビではよく出ていたので。
カマクラ:ふ〜ん・・・。
ホリキリ:それで東京へ来て、で、入ろうとは思っていたんですよ。バイトして、初めてフリーターっていうものをやり。その時はホント一番友達いなかった時期かもしれませんね。
カマクラ:ああ、東京へ来たばかりの頃。
ホリキリ:一応地元の友達が、それこそ大学の時に一緒にバンドしてた人が西荻に住んでいて、最初そいつの家に行って、家探そうっつって。結局そのまま西荻にしたみたいな感じだったんですよ。
カマクラ:なるほど。
ホリキリ:西荻は長くて、9年住みました。ホント友達いなくて、その時にさすがにうわ〜ってなって、かといってでも、バンドをmixiで、やりませんかみたいなことをするわけでもなく、なんかお手軽な何かないかなみたいな感じで。なんだろう、全く踏み込む勇気がない方だと思うんですよ。自分は。
カマクラ:そうなんですか?わからない・・・。
ホリキリ:そんな中でも俺が、なぜか自発的にやったのが、ジャニスあるじゃないですか。お茶の水のレンタルCD屋。あそこに結構、ちょいちょい行ってたんですよ。何でもあるんで。そこの下にイベントスペースみたいなのがあった時期があって。
カマクラ:あ、そうなんですか。
ホリキリ:そこで3回くらいDJしたんですよ。
カマクラ:え〜!!初耳、それ全然知らなかったです。
ホリキリ:それはでも、誰でも参加できますよ、みたいな。
カマクラ:へ〜、オープンマイク的なDJ。
ホリキリ:そうです。それこそジャニスの客の人が来てる感じで、あんまDJって感じの人はいない感じの。それで結局、最初の2回とかはそれに出たのに誰とも絡まずにみたいな・・・。はははは。
カマクラ:ははは・・・。かけただけ。
ホリキリ:2、3回同じになった人たちがいて、その人たちとちょっと仲良くなりました。
カマクラ:それはなんか始まりっぽいですね。
ホリキリ:そう、最近会ってないですけどね。DJとか今もやってるので、行きたいなと思っているんですけどね。その時俺は、なぜかタイとか、昔のサイケっぽいのハマっていてそういうのかけてたら、あまりそういうのをかける人がいなくて、そこに。他では全然いたと思うんですけど。しかもそれ、全然ジャニスで借りたやつでもないっていうか・・・。
カマクラ:ははは・・・。
ホリキリ:別のレンタル屋で借りたみたいな。スモールミュージックって当時、高円寺にレンタル屋があって。結構いろいろ揃っていて、そこで借りたやつをジャニスでかけるみたいな。
カマクラ:たしかに、すぐ上で借りたものをそのままかけるってちょっと小っ恥ずかしいですよね。
ホリキリ:そうですね。あんまり、みんなジャニス関係なくやってる感じでしたね。すごく、まあ敷居の低いというか。
カマクラ:ははは・・・。いいですね。そういう場所、大事ですよね。
5.レンタル
カマクラ:いろいろされてるんだなって印象が。
ホリキリ:ただ、CDJとかターンテーブルとか買うまではいかず。なんか、結構俺、そういうところあるんですよ。
カマクラ:そういうところって何ですか?
ホリキリ:ベースも借り物でやってたり。なんか高いものをバーンって買って、気合い入れてやる感じじゃないんですよね・・・。さすがにそろそろ買おうと思ってるけど、カメラも俺持ってないですからね。
カマクラ:え〜!借りてるんですか?
ホリキリ:あの、小ちゃいカメラとか、ちょっとしたものはあるんですよ。でもPVをメインで撮ってるやつは毎回誰かに借りてますね。
カマクラ:へ〜!はっはっはっは。
ホリキリ:はっはっはっは・・・。
カマクラ:ちょっと驚愕です。
ホリキリ:よくはない。
カマクラ:いやもう、いいか悪いかわかりません。驚き、だって持ってると思いますもん普通。
ホリキリ:ははは、そろそろ買うんじゃないかと思ってますけどね。
カマクラ:なんか買わないって特徴的ですね。
ホリキリ:なんかね、楽器とかよりさらに買いにくいのかもしれないです。どんどん、進化じゃないけど・・・。古くなったら安くなるとかあるんですけど、その時期が、自分の希望する感じより遅いんですよ。
カマクラ:ふ〜ん・・・。
ホリキリ:もうちょっと、すぐ値落ちとかしてくれたら、逆に結構バンバン買うかもしれないです。
カマクラ:ふふふ・・・、そうか、今はもういいって時期でやっと値落ちしてるわけですね。気持ちがなくなってるところで
ホリキリ:なくなって、さらに、何間かあって、みたいな感じなんです。
カマクラ:それだと中々買わないかもしれませんね。
ホリキリ:それなのに、GoProっていう2、3万の水中とかでも大丈夫なカメラがあるんですけど、それに似たようなものを買っていて。ちょっと変な買い方をしていますね。
カマクラ:ガッツリ買うとそれにしばられたりもしそうですしね。
ホリキリ:まあ、それはポジティブに動く人が多いみたいですけどね。こんだけ払ったし、取り返すつもりで、みたいな。中々考え中です。
カマクラ:むつかしいですね。
ホリキリ:カメラ・・・しかも借りた時、借りた相手(カメラマン)を誘わずにカメラだけ借りて撮るっていう。
カマクラ:はっきりしてますね。
ホリキリ:すごい・・・よくないですね。
カマクラ:はっはっは、それは自分でよくないって言っては・・・。いいんじゃないですか。
6.PVの話
ホリキリ:理想としては、カメラマンつけてやりたいですけど、PVだといろいろ、予算とか、撮影の時間とかもありますし。
カマクラ:ホリキリさん撮影も好きですよね?
ホリキリ:好きですね。でもなんとなく、演出に専念すればよいのかもしれませんが、やっぱりカメラの腕をあげたいです。撮ってるとやっぱり、発見があるので。カメラマンに頼んだ方が絶対にいい図撮れるけど。いい点と悪い点、両方ありますね。
カマクラ:う〜ん。
ホリキリ:空気も変わりますからね。いきなりミュージシャンの人にとったら初めましてなスタッフが来て。変な現場感とか出ると良くない可能性ありますからね。ただ、少なくとも今年いっぱいは、一人でやろうと。なんか勝手に、自分で縛りを設けたみたいな感じですけど。たくさん撮りたいからっていうのもあり。
カマクラ:だったら、割と考えてたことが、できたって感じですね。
ホリキリ:ですね。それはちょっと、正直今まで・・・1983年から生きてきてから、2015年で初めてかもしれないですね。
カマクラ:よかったですね。
ホリキリ:よかった。とはいえ、もっと。クオリティを上げていかないといけないなと。結構、ダメだしされる人間の数が少ないんでね。スタッフ入れるとその人たちから何か言ってもらえるかもしれないんですけど。そういう課題もありつつ。
カマクラ:他者から何か言って欲しいですよね。
ホリキリ:そう、だから人に頼むっていうのはそういうところもあります。一人だとないから。なるべくそういう視点を持ってやるようにはしてるんですけど、でもやっぱり甘えてきちゃう部分がある。それでやってきて、発見があったのは、ミュージシャンのツッコミも的確だなっていう。ははは・・・。
カマクラ:ほ〜。面白いですね。
ホリキリ:まあ完全にお任せっていうか、そういう人もいると思うんですけど、具体的にいうとさっきのPOWERのPVとってる時に、モーツァルトくんって人が結構突っ込んでくれて。ここはこうなんじゃない、みたいな。そういうのはありがたかったですね。
カマクラ:そうなんですね。
ホリキリ:人によるかもしれないですけどね。butajiのサンデーモーニングって見ました?
カマクラ:見ました!すごく好きです。
ホリキリ:あれとかはもっとさらっとしてたんです。結構ところどころ、黄色く光ってるじゃないですか。あれは中里さん(P-VINEレコードの中里友さん)が、突っ込んでくれたんです。
カマクラ:あれは夜のシーンはなくて、ずっと朝ですよね。
ホリキリ:まあ光の、フレアっていうんですけど、元々入ってたやつもあるけど、足してるんですよね。
カマクラ:あ、そうなんですね。
ホリキリ:ちょっとやらしいと思って、最初足してなかったんですけど、綺麗だからもっと入れたほうがいいよって言ってくださって。
カマクラ:そうなんですね。
ホリキリ:割と最近よくある既成のPVの感じになるのが嫌で、こういう演出をよくみる印象があったから。でも変に意識してたなと。結果的によかったです。このbutajiのは特に反応があって。
カマクラ:いいですね。
ホリキリ:これ、何を足したかっていうと、これの前に公開したトレーラーにでてきてる光を使ってるんです。
カマクラ:そんなことできるんですね。
ホリキリ:今プラグインって言って、かませばすぐできるやつがあるんです。それをやりたくなくて。一応自分で撮った映像を重ねようかなと。まあ見てる人には関係ないですけどね。
カマクラ:いやいや、面白いです。そういうのでできてるんすね。
7.常に
ホリキリ:音楽をやってて、その後に映画とかを割と続けられたのは、完全にそっちの人じゃないからみたいな、ちょっと音楽側からの視点というか・・・ちょっと外側から見てる感じじゃないですけど、
カマクラ:はい。
ホリキリ:そういう感じがあったからかもしれません。もっとそれまで、映画とか見まくって、撮ろう撮ろうって思っていたら、またダメになってたかもしれません。
カマクラ:なるほど。
ホリキリ:割と軽い気持ちで始めたから、続けられたのかもしれないです。
カマクラ:そういうのあるかもしれないですね。
ホリキリ:逆に今度PVとか撮り始めて、ライブとか行っても今までは出演者と話したりしなかったけど、今では割と話せるようになったりして。まあ僕、映像の人だしみたいな感じで。音楽ずっとやってたら変に意識して話しかけたりできなかったかもですね。
カマクラ:はい。
ホリキリ:常にこう、自分の状況を都合よく。
カマクラ:それも言い方なような気もします・・・とってもいいなって思います。
ホリキリ:ははは・・・。
カマクラ:みんな大好きなんじゃないですかね、そういうのが。
ホリキリ:うん、そうですよね。まあ簡単に言ってしまうと外野というか。
カマクラ:そうですね。いろいろ言いやすいというか。
ホリキリ:そういう風にコントロールできるようになってきたのかもしれません。自分があまり、重くならない状況だっていう風に。自分に思い込ませるというか。
カマクラ:それは難しいですね。だいたい必死になってしまうんで。
8.配分
ホリキリ:PV撮り始めて、まだ一年もたってない状況で言うのも何ですけど、全部をガッツリ見てくれてる人ってたぶん、3、4人くらいしかいないんですよ。
カマクラ:全部をガッツリ。
ホリキリ:すごいその3、4人は、とてもありがたいことだなって。まあガッツリかはわかりませんが、全部リツイートとかしてくれて・・・。3、4人と言わず、もっと見ろよって思いももちろんありますよ。
カマクラ:もちろんありますよね。
ホリキリ:まあでも、さっきの都合いい話で、別に見ないだろうって気持ちも持って気軽に作るってスタンスにもなれますから。その時々で使い分けるっていうのも。
カマクラ:たぶん、多少そういう気持ちはないと続けられないんじゃないでしょうか。
ホリキリ:そう、それがありつつ、その基準が自分はまだ甘いなというのがありますけど。都合よくしすぎちゃってる時があるんじゃないかなと。
9.PVの話その2
ホリキリ:PVに関していうと、まず曲があって、ということですよね。純粋な自発ではない。
カマクラ:こういうミュージックビデオ作りたいから、こういう曲書いてっことにはなりませんもんね。
ホリキリ:だから、どんなPVも確実に商業的なニュアンスが含まれてますよね。
カマクラ:だから作るって感じですもんね。
ホリキリ:ただ今年、やったことは、今思うと自発的な部分も多かったなと。
カマクラ:へ〜!それってどんな感じなんですか?
ホリキリ:割と、自分から声かけたっちゃ声かけた。どっちが先って厳密には覚えてないけど。
カマクラ:ふわふわっていうか、もともと人間関係あって、みたいな。
ホリキリ:そう、だからそのふわふわって感じを作れるように、したって言いかたすると、ちょっとやらしいですけど。ナツノムジナにしても、音源出すってなって、じゃあPV作ろうって。
ホリキリ:思ったよりもミュージシャンからPV作ってくださいって言いにくいのかなと。
カマクラ:そうですね。
ホリキリ:意外とこっちとしては、軽い気持ちというか、自分の出来る範囲でならやるやるって感じ。シャンプーハッツは別に僕が監督したわけではないんですけど、あれはPVを撮るから、カメラできる人探してますみたいなTwitterが流れてて、やりたいですと。
カマクラ:フレキシブルな感じでいいですね。
ホリキリ:あんまりそういうことしなかったんですけど。その流れでにゃにゃんがプーもやって。自分の好きな音楽ばかりですよ。冷静に考えると、ナツノムジナの時は、結構仕事が忙しい時期だったんですけど、割と全然できました。しんどい時もありましたけどね、寝る時間ないとか。頼まれ仕事だったら、やれてないだろうなと。
※撮影と編集を担当した。監督は田島ハルコ(シャンプーハッツ)
ホリキリ:昔、頼まれ仕事でパンクしちゃったことがあって、結構トラウマになってるんです。それはノーギャラだったけど、そういう辛さというより、好きだと思ってやってたことが自分の思ってるほど好きじゃなかったっていうことが大きかった。できると思っていたけど、意外と体がついてこなくて。
カマクラ:なるほど、本音が、
ホリキリ:でちゃったですね。いや、これはまあ嘘かもですけど(笑)。その時は、完全に自分から言いだしたわけではなかったんです。今年やってるやつは、少なからず自発的にやっていますね。
カマクラ:映像に表れている気がします。全部楽しそうなんですよね。
ホリキリ:嬉しい。ありがとうございます。楽しそう、大事かも。自分たちが楽しけりゃいいじゃんっていうのが、重要なものの一つとしてある気がします。もちろんそれを客観的に判断はしなきゃいけないけど。どんなに売れている人も、最初は内輪があって、そこにどんどん入ってきたんだろうと思うんです。どんなに広がってる人でも。最初に絶対内輪があるから、それ見て、なんか楽しそうって思って入って来る。
カマクラ:ぱっと見わからないけど、よくよく見るとこの人すごく楽しんでるなって感じを、ホリキリさんの映像に感じます。
ホリキリ:それは嬉しい。
カマクラ:さっきのサンデーモーニングとかもそうだし、探偵物語とかも、撮ってる本人がたぶんこれは楽しんでるだろうと。
10.終わりに
ホリキリ:一人でインタビューされたの初めてですけど、ちょっと考えちゃったというか。たぶん今後インタビュー受けることないと思うんですよ。ははは。
カマクラ:そんなことないと思いますけど。
ホリキリ:なんだろう、例えば俺のことを検索してくれる人がいるとしたら、このインタビューを見ることになるんだなと。そう考えると、結構大事なことだと思うんです・・・。実はバイトで映画サイトやってたことがあってインタビューを自分がしたことはないんですけど、文字の編集だけとか、文字起こしとかやってたんです。
カマクラ:そうなんですか?へ〜。
ホリキリ:結構、大変だし。ぐちぐち文句言ってくる人とかいるので。その時はインタビュー受けたんだから、いいじゃんって思っていたけど、いざ自分がされると考えてしまいますね。まあでも、すごくありがたかったです。4割が嘘で申し訳なかったですけど。ははは・・・。
カマクラ:こちらこそありがとうございます。